─二階・ウェンデルの部屋─
[下で何か言われてるのとか、知る由もなく。
当たりをつけた部屋をノックする。
抵抗があるかと思ったが、予想に反してあっさりと迎え入れられた。
もっとも、来訪者が来訪者だけに、その後の反応はどうなるやら、ではあるのだが]
あー、ええと。
何やら驚かせたようだけれど、ね?
さっきのは、ちょっとじゃれてただけですから。
[我ながら、説得力ないなあ、と思いながらも言葉を綴る。
関係などを問われたなら、幼い頃から見知った、気心の知れた仲である事を説明する。
二人で部屋にいた理由も、今後について話し合っていた、と大筋を省いた説明を。
その辺り、嘘は言っていない]