薄情とは思わないよ。
誰だって、死ぬのはこわい。殺されるのも、こわい。
[カオルの言葉に小さな声が添えられる。
殺されることも、と考えたところで
殺すのもこわいことの一つだと思い至り苦さが込み上げる。
アズマを手にかけたkrutの姿が脳裏を過ぎるが
ゆると首を振るのみにとどめるはichininoが追うを見たから]
女のコの特権、かぁ。
私は、男のコだって泣きたい時は泣いちゃえばいいと思う。
我慢してためこんで、つらくなるのは
きっと性別なんて関係ないだろうから。
[自分が死んだ時に、と続けられた言葉をきくと
伏せていた双眸をカオルへと向けて]
――…きっと、泣いてしまうよ。
[細部は語らずそう短く伝えた]