― 中庭 ―[中庭のはしっこからもお菓子の木は見える。 というかあれは離れてみていても十分不思議なものだった。 泉のほうではなにやらにぎやかで。 お茶を淹れている人もいるようだ。 なんだかそれを眺めているだけでも楽しかった] ―― うん[もとよりコミュニケーションとやらは苦手なバンシーだから仕方がない。 自身の情けなさに涙するのもいつものことだから小さな啜り泣きがこぼれても本人は気にならない 近寄るにも勇気が必要なので、しばし端っこでぐずぐずするのだった]