─外・廃墟中央付近─
[近づいて行く最中、十字が姿を変えまるで竜のようなものになったのを見て眉をひそめる。]
どういう仕組みだ…まぁ、落とせば同じ、かっ。
焔の御志よ、災いを灰塵と化せ!!
[放った呪文は火炎の球を成し、カルメンの顔面目掛けて放たれる。
が―――ぞくりと背筋に嫌なものが走る。どこかで警鐘が鳴っていた。]
『!?旦那炎が!』
[前方から放った炎を食いつぶすような一撃が、煌きと同時にこちらへと向かってきた。]
白き御手よ、清冽なる棺に封じ
滄溟たる波濤、戦渦となりて厄を呑み込め!!
[咄嗟に防御の二つの呪文を放つ。片方は風を起こし、片方が空間を裂く。
放たれた竜の咆哮を、少しでも逸らさんと――――]