[目をほんの一瞬閉じ、改めて体の状態を確認する]
[そのとき、焦げて引きつれるような痛みを発していた傷が、どこからか癒しの力によって冷やされていくのを感じた]
.oO(右腕、左腕、肩、腰、右足、左足、…全て動く!)
.oO(ありがとう、ゼル。)
[心の中だけで礼を言い、そして攻撃限定型の術者だからとはいえ全く援護してやれないことを詫びる]
[そして]
[軍刀を体の真横、地面と水平、肩と一直線に構える]
[前に倒れこむように、一気に低い姿勢になる踏み込み]
[直立した状態の位置エネルギーを利用しての加速]
[放たれた闇の嵐に突っ込む]
[軍刀が紅蓮を纏って踊る]
[踏み込み、薙ぎ払い、払い抜け、そして反転して斬り上げ]
[嵐に巻かれながらも一つの無駄もなく、最も効率的に敵を刻むために繰り出される剣の軌道は、まさしく死の舞踏]