─回想/村の通り─
[ユーディットに事の次第を伝えた時。泣きそうな顔が見えて、反射的にその頭を撫でた。それが微かに震える声を落ち着かせることが出来たかは定かではない]
…ん、そうだな。
それじゃあ俺達は他を回って来るよ。
[足のこととギュンターの話を聞けば、その方が良い、と告げてユーディットの頭から手を退かし。無理に作ったような笑みと言葉を向けられると、一度心配げな表情になってから、いつもの柔らかい笑みを浮かべた]
俺は、大丈夫。
[そう返して、ユーディットが去って行くのを見送る。誰かが消えてしまうのは『刻』が来たことを知った時に覚悟していた。だからこそ、今こうして他より比較的落ち着いて行動することが出来ていた]
─回想・了─