―翌日―[老女の朝は早い。日の出と共に目が覚めると、鞄を持って外に出た。とはいえこんな時間に宿の扉を叩くわけにもいかず、暫く暖まって過ごそうかと向かう先は広場のはずだった。]…あら?[その途中、玉泉へと続く道に、何かが転がっているのが遠目に見えた。老女の目には、はじめ猫が蹲っているようにも見えた。だが、それにしては何かがおかしい。行ってはいけない。どこかがそんな警告を発するのに、歩みの遅い足は止まらない。嗅ぎ慣れない匂いが鼻を擽り。辿りついたその先で見た物は。]