さて、それじゃ……。[そろそろ人の集まる頃合いだろう、と思い、話を聞きに宿へ向かうべく身支度を整えた直後。玄関の方から扉を叩く音が聞こえてきた]……今度はなんだよ。[呟きつつ、部屋を出る。銀の短剣は布に包まれ、ごく自然に懐へ。玄関には既に、ユーディットが応対に出ていたか。いずれにせよ、今度の来客――自衛団の顔は、余り見たいとは思わなかったのだが]何か、ありましたか?[気だるげな口調で、問う。返してなされる説明――それを聞いた瞬間。言葉が、失せた]