私は、そういう感情――…悲しみなどもそうですね。
良く分からないのです。
どう、その感情を表せば良いのか分からない。
――とある医者からは、
おそらくある種の病気だろうと云われました。
だから、それに対して疑惑を向けられたとしても、
私は私の態度を改める気はないし。できません。
私は、私としてしかいられないのだから。
[アーベルにとっては謎かけのように聴こえるだろうか。]
それで死んでしまうなら、まぁ、仕方ないでしょう。
[説明はそれでお仕舞だとばかり、くるりと踵を返せば、
背後で「分かった」と声がした。]