っ、くぅ…!
[何度かナイフを繰り出しているうちに、ゲルダへの切り傷は増えていき。
ナターリエもまた抵抗による打撲や肌が露出した部分への引っかき傷が増えていく。
そうして揉み合う内にナイフはゲルダの鼓動の位置を捉え。
押し込んだことでナターリエはゲルダに覆い被さるように倒れ行く。
一瞬にして全ての物音が、停止した]
はっ ぁ、 は ぁ ………
[手に返る肉を穿つ感覚と、ぬるりとした触感。
身体を起こして手を離せば、ナイフは深々とゲルダの左胸に突き刺さり、隙間から赤い液体を滴らせていた]
あ、ああぁあ ああ………
[目の前の状況に言葉にならず、ただ声だけが零れ落ちる。
護りたいものがあるからと為したことではあったが、為したことに対して身体は震えて。
紅く染まった自分の両手を見詰めながら、はらはらと瞳から雫を零していた]