─二階・フォルカーの部屋─
長の子……そうだね、次期村長、だもんね。
[それを口にした時の表情は、どこか寂しげなもの。離れて行ってしまうような、そんな感じがした]
ボクの、”絶対”…。
ありがとう、フォル。
そう思ってもらえるだけで、嬉しいよ。
[そう言って微笑む。握り返してくれる手が温かい。見つめてくれる意思の光を宿した瞳が愛おしい。けれど、見つめ返す縹色には僅かに悲しみが見え隠れした]
あ、クッキーなら少し持って来たけど……。
[変えられた話題に机に置いたトレイに視線を向けた。小皿に盛りつけたクッキーを持って来て、それを摘みながら再び紅茶を傾けたりした。足りないようならパンか何かを持って来て、それを食してからそれぞれ休息を取ることに。イレーネはティーセットを乗せたトレイを手に、隣の自室へと戻って*行った*]