―湖畔エリア―[やはりそう容易く捕まえさせてはくれないようで。 あっさりと火に負けた草に視線をやることはなく。 投げつけられた小さな鉱石からあふれ出した煙に顔を蹙める] 風の精よ、清き風にて煙を払い、刃となりて敵を切り裂け![呼びかけに応えた風が煙を払うけれど、完全には払えなくて。 爆音で耳がやられるのまでは防げはしなかった。 煙を払った風はそのまま真空の刃となり、ユリアンの手元にとどまる。 そして煙にまぎれたハインリヒがいる方向へと、刃を放つように腕を振るった]