―回想―
[ゲルダも近くにはいたのだろうか。
何か言われれば小さく煩いとか返しもするだろう。
ただ言い合いにはやはりならない。一抹の寂しさすら感じた。
それもまた自分のせいであると分かってはいても]
厄介をかけた。
…気をつけて。
[戻るというヴィリー、あるいは途中までついてゆくかもしれないゲルダに向けて言った。
そしてクロエと二人になってから。その問いは投げられた]
……俺が知りたかったから。
疑ってもいたんだろうな。もしかしたらお袋みたいになっちまったんじゃないかって。
夢に生活を蝕まれてるんじゃないかってさ。
[近しい相手でないと視れそうになかったのも嘘ではない。
けれどやはりそれだけでもなくて。
天井の一点をじっと見つめ答えた]