「……泊まってくんなら、後で片付け手伝えよ」
[続いた言葉は、一見するとそれまでのやり取りとは無縁のもの。
それに、得たり、とばかりににやりと笑って]
おっけーおっけー、それは了解。
……あ、そーいえばさー。
今年もやんの? 誰が『春の乙女』に選ばれるかの賭け。
[口調を一転、お気楽なものへと変えて。問いかけるのは、祭り毎に行われる催し物に絡む賭け事の事。
街の若い女性たちの中から一人を選び、祭りの祭事を締めくくってもらう、というものなのだが。
誰が選ばれるのか、を賭けるのは、街では毎度の事となっているとかいないとか]