―集会場・2階の部屋―
[開きっぱなしのハンドブックと、廃坑地図。地図には新たに最奥部分に大きな○がつけられていた。
煙草の煙でうっすらと白くけぶる中で、真剣な面持ちでペンを走らせているそれは
それは自分の師である人物へ向けた報告書。
廃坑内部、最奥の壁を削って出てきた化石から推定した地質。
それはある特定の年代のもので…その層の下には鉄を含む堆積物の層がある可能性が高い。
報告書には鉱床調査の結果と、かつての産出物についてと、
更なる発展の可能性と、本格的な調査の必要を記していた]
まさか、こんなものに出会えるとはな。
[報告書の最後に自分のサインを入れ、ペンを置く。
白い石の欠片―化石の一部の入った小瓶を振って、満足げに煙を吐き出し―
充満した煙でけぶる室内に気付いて険しい表情で窓を開けた]