[もしかしたら、もうここにはいないかもしれない。だって、あんな場所にシスターを運べる身体能力があるんだ。嵐だって、雪だって、物ともせずに何処かへ行っているかも][それが、甘すぎる希望だったのだと]――……ッ、!?[どん、と、内側から衝撃が走る。何が、と思う間もなく激痛が思考を焼き切って]い、……った、……![ずるりとその場に崩れ落ちる。右手は爪が皮膚を裂きそうな強さで左肩を握り込み。膝を付き上体も伏すように落ちたその先で、動かぬ左手が細かに震えた]