───…?
[がきん、と。
何かが跳ね返されるような音が聞こえた。
それは一回だけだったか、それとも数回か。
目を瞑ったままだったために、何が起きているのかは見えなかったが。
音が聞こえなくなって、ようやく瞳を開いたものの。
そこにはもう、何の姿も気配すら残ってはいなかった。]
……今の、は…
[恐らく、人狼だったのだろうと思う。
姿を見なかったことが少し悔やまれるが、それよりも何故自分が無事なのかが気になった。
思い当たることと言えば、伝承にある。]
守護、者?
[ぽつり、呟く。脳裏に過ぎたのは、幼馴染の顔だった。**]