―Kirschbaum―[戸をくぐる。小さな鐘の音が出迎えた。]…いつから此処は野戦病院になったのだ。[ソファーを占領する二人は、どちらも襤褸襤褸で意識も無い状態。とてもでは無いが、喫茶店の一画とは思いがたい光景だ。][王の店先で――と言い掛けたが、王その人とアマンダに軽く宥められ、溜息を吐くだけ。]…よくこんな場所で甘味など口に出来るものだな。普通、女性というものはこういった血生臭い輩の居るところで食事をとる事を嫌うものだ。[アマンダの手元へ目を移し、また溜息。]