─ 広間 ─
[それから、全員が集まるまでどれだけかかったか。
集会場にいる全員が広間に集まると、団長は険しい面持ちのままゆっくりと口を開く]
…………。
[語られるのは、今回集められた理由。
この村に闇の者と、それに対する力持つ者がいるらしい、という知らせが中央の教会から届き、それを見つけ出すために疑わしき者たちをこの場に呼び集めたのだと。
そして、老婦人の命を奪ったのはその闇の者──『人狼』であろう、と]
……まあ、確かに。
あれは、人の手による所業とは、思い難いものでしたが……。
しかし、『幻燈歌』に歌われるような存在が、と言われましてもすぐには……。
[だからと言って、すぐに信じられるか、と言われると難しく。
零れ落ちるのは、困惑を帯びた声]