[無差別の短剣は相手を傷付けたようだが。
手から離れ、壁の向こう側となれば認知は不可能]
[血液の散る左脚と焼かれた両腕。背は内出血程度のダメージは受けているだろう]
容易いとは思ってなかったけど…これきっついなあ。
[吐き出した溜息が床に落ちると同時、朽葉色が跳ね上がる]
『隠者の知識』?
…まずいな、カードを使ってきたのか。
[壁の向こうから聞こえた単語。少しの逡巡と溜息]
――短期決戦と行くか。
[左脚から奔る痛みを心で捻じ伏せて走り出す。
念の為にと両手に一本ずつの短剣を手に、相手の在る部屋に飛び込んで。
そのままの勢いで相手の懐に入り込まんと]