― 都市の通り ―
[来客があった時のために、行き先と帰りの予定を扉の内側に貼り家を出た。
都市を歩む青年が、目指す方向は洞窟の奥地。
険しい地形のその場所に、運動が不得手な青年は余り立ち入ったことはなかった]
[しばらく歩いた所で、見覚えのある人影が目に留まる]
あれ、あそこにいるのはクレイグと……コレット、さん?
[1年を間近に控えた彼女が、ほとんど外に出歩かなくなっている事を、茶の配達で時折家を訪ねる青年も知っていた。
しかし視線の先、クレイグと向き合う彼女は。
想像していたよりも遥かに素早く見えて>>67]
コレットさん!?
[驚き発した言葉は彼女らに届いたか。
いずれにしろ、それはクレイグの大輪花が晒されるのを、止めるには至らなかった>>69]