[転がり落ちていた何か―――
黄色いピーマンに、羽のような手の生えたぬいぐるみを
拾って抱きかかえると、ぺたん、と座り込んだ。
残る眠気に欠伸が出そうなのを堪えると、また涙が滲む。
抱いているそれだけではなく、
机の上や、部屋のあちこちに置かれているぬいぐるみたち。
小さなものから大きなものまで、種類も、多種多様。
何よりベッドの中には大量で、三分の一程を占拠していた]
…慣れねーなぁ。
[暫くぼんやりとしていたが、ぽつん、呟きを落として。
僅かに開いた窓の向こうからは、聞こえる蝉の大合唱。
それを塗り潰すように、遅れて、目覚ましの音が*鳴り響いた*]