― 翌朝・自宅 ―
[一応は眠りはしたものの、捧げた代償のせいか緩慢なだるさは抜けていなかった。
まだ時間は早く、もう少し横になっていようかとも思いはしたが。
そうしたところでこの倦怠感は取れないと、体を起こして。]
…先に行って、待つ方が良いな。
[身支度を整え、昨日と同じように鏡と短剣を服の下に潜ませると外に出る。
アーベルは家にいただろうか。
いなかったかもしれないし、日課の鍛錬中だったかもしれない。
居たなら先に宿に行っているとだけ伝え、一人急く気持ちを抱きながら宿屋へと向かった。]
― →宿屋 ―