─外・廃墟中央付近─
どんだけ化けモンな威力だっ…
『あーあ、こりゃ先手とって速攻が良かったかもネ。』
今更っ…!
[言いながら、再び呪文は紡がれる。
言葉にならない、音の羅列のようなものは、歌のように高く低く紡がれてゆく。
その間、腹や足のあたりが、がりと裂かれ食われるような感覚に襲われた。]
――――――――――!
[パンっ!と弾くような音がすると同時に、竜の一撃は掻き消された。
同時にその中心で、傷だらけの主が膝を付く。髪は肩まで伸び、身体はほんの僅かに縮み丸くなっていた。]
『あーあ、今の消すので全部使っちまったかー。ま、しょがないネ。うん。』
[おしゃべりな剣は、いつのまにか元の姿にもどり主の傍らに付き立てられていた。]