[声がした。ようやく、届いたのは、ノーラのエーリッヒを呼ぶ声] ノーラさん……。[きっと自分よりも辛いのだろうと、ノーラのほうへ手を伸ばす。座り込んだノーラの肩に触れると、そろそろとその髪を撫でた] ううん、あのね。 エー……。[名前を呼ぼうとすると、涙腺から涙が滲む。又拭って] ノーラさん、元気、出して、ね。[ぽんぽんと、母親が泣く自分をあやしてくれたときのように、優しく叩く]