─ →広場 ─
えーと…この時間だと広場かな?
それか宿屋かな?
[行商人がいるのはどこだろうと考えながら、駆け足でまずは広場へと向かう。
こういうお使いもいつものことだ。
父はあまり外に出ない。
その分絵を描いていたいのだと言う。
娘も父の絵がいっぱい見られるのは嬉しい。
でも出来上がった絵はすぐにどこかへ行ってしまうから、出来上がらないと良いとも思う。]
お父さんの絵が、喜んでもらえるのは嬉しいんだけどなぁ。
[画商から先生と言われる父の顔はあまり嬉しそうじゃない時があって。
その時は、ただでさえ絵がもっていかれて悲しい娘の気持ちが余計に悲しくなる。]