―孤立の翌朝・外―
[声をあげ人を呼ぶ。
動揺はしても錯乱しているわけではないから、もう一度遺体の様子を視線だけで確認する。
近くに落ちていた彼のものだろう楽器を拾い、傍に置いてやった。
朝の散歩の途中だったのだろうか]
結局、どんな人なのか、なにを考えているのかわからないまま、か。
[あの詩を選んだ理由が聞けたとして、なんと返していいか分からなかっただろうけれど。
そんな風に考え事をしていたから、近づく足音>>69に気づかずに
声を掛けられてはっとしてそちらを見た]
イヴァン……歌い手の方が、こんな……
[そこにいたのは、年齢的にも胆力的にも頼りになるだろうイヴァンで、情けないことに明らかにほっとしていた。
そのイヴァンさえ声をなくす光景を、エーファが見つけてしまった>>71ことにはまだ気付かないまま。*]