─村の通り─[エーリッヒの家に向かう途中、茶の髪の友人が手をふるのにとととっと走る勢いを殺した。] ユーディ。 ああ。…うん。 うん。哀しかったり、辛かったり…… 苦しかったりしていなかった、と。 言ったら嘘には、なるけど[心配の言葉に、真顔を向けてから──たは。と情けなく笑った。] うん。でも。 今は──大丈夫だ。 ちゃんと……逃げず向き合えている、と思う。[自分の胸に手を置いて。だから、大丈夫。と、そう答えて、]