[ひやりとした空気。
氷破の属を宿す異界龍と盟約し、自身は疾風の気を強く宿す身には、それは心地よくもあり。
知らず、笑みは深くなっていた]
……異界に満ちし妖なる力、我が友を介し、我が力となれ……。
[細まる真紅、唐突に紡がれる呪。
高まる『魔本』の力に呼応するよに、水晶龍を光が包む]
異空織り成す揺らぎ、集い、形成して全て貫く一閃とならん
……異空牙槍!
[光は集い、煌めく槍を形作る。
生み出された槍は、二本。煌めく尾を引くそれらは、問答無用とばかりにウェンデルとイレーネに向け、一本ずつ、飛ぶ]