[ぐるぐると思考がまわる。先ほどからずっと、頭の中で嫌な考えばかりが浮かんでいた。
宮町と露島が毛布の数のことを話しているのが聞こえて]
(いまの天文部、帰宅部っぽかったし、どーかな……
少なくとも俺は、置いとかなかったし……)
[そのことを言おうかとも思ったが口を開く気になれず。一刻も早く用事を終えて安心できる場所、誰かが待っている場所に帰りたかった。]
[異臭を感じ取ったのは、宮町と同時か。
宮町も露島も顔をしかめ、辺りに注意を払っている。]
(やだ。すっげ、いやだ。)
[帰りたい。何かが重くのしかかってくる気がする。]