『公的に』喧嘩の売り買いできるような機会は、稀少なんでね!
[怒鳴り返す言葉は軽口めいたもの。しかし、その内容はどうなのか。
流水を断ち切り、駆ける様子に思案を巡らせる所にかかる、異質な力。
元より魔獣を内に宿す身には、それが与える影響は本能的に察知できて]
ありがてえっ!
[にや、と口元を掠める笑み。そこに迫る水の槍はぎりぎりでかわすが、時間差の斬撃は往なしきれず。
左の腕を掠めた刃は紅を散らす──が]
御丁寧に、どうも?
[痛みを感じる素振りなどはついぞ、見せず。
用意しておいたカードを床に叩きつける]
地の内に眠りし頑健なるもの、礫となりて地より天へ! 岩砕波!
[避け難い至近距離で発生させるのは、足元から飛び出す石礫]