あー、やだやだ。なんでまた、『監査官』なんて名乗らなきゃなんないの……っとに。それが嫌だから、最初に生死不明になったのに託けて、逃げ回ってきたのに。[その挙句、一つ前にいた場所で巻き込まれた騒動の果てに記憶を欠落するような痛い目にあったのだが、それはそれとして]ま、向こう側の経歴に引っかき傷でもつけられるなら御の字、って事でいいか。[ぶちぶちと文句を言った後、取りあえずあったまろうかなー、と広間へと向かい。扉を開けてすぐに包み込んできた空気の温かさにひとつ、瞬いた。*]