―――…あのね、こんな時間にごめん…起きてる、かな
ちょっと話しておきたいことが、あって
[小さく控え目にノックをし、反応を待つが返事はかえらない。少し待っては見るが動いた気配は覗えず。ドアノブに手を掛ければ回る手ごたえに眸を瞬かせ]
あれ…若しかしていないの?
[其の時娘はまだ気がつかなかった。廊下に漂う以前の血の匂いで判別が付かなかったのだろう。、クロエの部屋からも鉄錆の予感を感じるまで時間が掛かってしまっていて。]
―――…、これって…
[想わず口許を覆うのは濃くなる血のにおいのせいだけではなく。変わり果てた姿で寝台に横たわる幼馴染の亡骸に、娘の呼気がとぎれとぎれとなり。]
クロ、エ………そんなの、って
嘘…こんなのって、ないよ…
お願いだよ、眼を開けて……