うぎゃっ
[走っても走ってもゆがみが見つからないなか後方の注意がおろそかになり、音もなくあらられた縄状の影にあっさりと片脚を絡め取られ転んだ]
逃げるなっていって、逃げないやつがいるかぁぁ
カリン。助けて
『駄目』
返答がはやすぎて平凡じゃないぞ…門の奥に潜む力よ。その威を振るえ。汝は空に傲慢に暴れる雷雲なり
[ごろごろと。転がりながらも手と阻まれてない足だけで器用に立ち上がり唱える。
そして中空に現れた。白い。でも雲じゃない。兎の前歯のみのとんでもなくでかいもの]
………まあ、なんでもいいや。いけーーー
[前歯だけの物体がぐわりっとゼルギウスをくいつくように迫っていった]