― 広間 ―
[開けた窓から冷たい風が流れてくるのを感じる。
漂う血の匂いが消えたら窓を閉めようと心に留め暖炉を振り返る。
ぬくもりを与えるはずの暖炉が先の惨劇を思い出させて
瑠衣の表情が、また曇ってしまう。
戻ってきたichininoに名を呼ばれると其方に顔を向けて]
――いちにのさん、おかえり。
krutくんは……、いや、なんでもない。
[様子を聞こうとして、言葉半ばで首を振り、やめる]
……ん、話ならいくらでも。
私の、雑感、か。
わかった、じゃあ、……
[何から話そうか、と紡ぎかけた音はlaurusの悲鳴に被る]