― 上空 ―[意識を完全に喪っていたわけではなかった。ただ身体に力が入らない。蹴りを受けたせいばかりではない、ざわざわとざわめく血と、木に繋がる力が、右にも左にも動けぬように、身体を縛り付けているようだった]…レディ・オリガ…[視界の先、炎に突っ込むようにして風を送るオリガの姿が見える>>74と、掠れた声が漏れた]あぶない、て…