[食いちぎられたようなあとが見える。
左手の、手首から甲に掛けてに、血とは少し違う色を微か感じ、
白き手袋をした手でそっと血を拭う。]
――…、 痣 ?
[朱色のそれが元はどのような形であったかは分からないけれど
己とは反対の手の、同じ場所にある痣にみえるそれを、
旅人の呟いた朱き花と認識してしまうのは対なる者であるからか。]
蒼と朱、ふた色の花。『双花聖痕』。
月の牙を引き寄せ、
[同じ未来が待つのかもしれない。
歌い手のうたったそれを詩としてなぞり、
カルメンの声>>72とイヴァンの反応>>75に
視線を二人へと向けてから、これ、と示すは微かに残る朱き痣。]