[血がとんだのだろう、布団も赤い部分があるように見える。だけれど、そんな細かなことを、観察することなんて出来なかった]――は、……なん、のじょうだ、[ひゅっと喉が鳴り、咳が落ちる。動揺が、体を蝕む。くそ、と小さく言葉が落ちるけれど、それよりも力の入らない手がスマホを落とすほうが先。ライトは消えてしまったけれど、見てしまったものは覚えている]