― 2階・廊下 ―[その単語が彼女の心的負担になるだろうことは認識していた。再び力が篭り始めた>>74のを、幼い子にするように緩やかな調子で背を撫でて宥めようと]……そう。アーヴァインの敵だ、容赦する心算はない。[撫でる調子は変わらぬまま、視線だけが一時冷たい其れになる。彼女が顔を上げようと身じろぐ時にはいろを掻き消して]ただ見るだけでは私にも見分けはつかないけどね。見分ける為の『力』を、持っているんだよ。[視線が合う時には微笑さえ浮かべ。ぽん、と片手が自身の腰のポーチを叩いた]