やだ…… … やだよ。[彼の身体を動かした時、身体の上に置かれてあったものが滑り落ちた。失われていた鞘だ。それを目に映す先、昨日リボンを調えてくれた右の手が、蒼きアイリスを咲き誇らせていた手が、無残に失われているのを知った。他にも傷を負っている様子は、誰の目にも明らかだろう]