― 林檎の樹の傍 ―[髪とスカートとが動きに呼応して揺れる>>72。立ち上がる彼女に対し、自身はその前で膝をついた。これまでと同じように。けれど右手には刃を手にしたまま]昨日、言ったようにね。私の『力』で、また一人を視たんだ。[穏やかな口調で、反して浮かべられない常の笑み]昨夜、私が視たネリーは『人間』だった。そして今朝、ラッセルが殺された。人狼でしかできないような殺し方で。……ハーヴェイは、ユージーンが殺した。ここに残るのは四人。私が視る事ができていないのは、たった一人。