― 宿/食堂 ―
[長い間、憔悴しきった面持ちで俯いていたが、
ふと貌を上げ辺りの面々を見やり。]
… 皆に伝えたいことがあるのだよ。
構わない、かな?
[自分を含め6名となり、半数の命が喪われたと識る。
もう、時間も余裕も、ないのだ。]
―――…今まで隠してて御免ね
もっと早く明かしておくべきだったのかも知れない
[謝罪の後、娘は自ら纏う黒のワンピースの裾を摘まみたくし上げて。すらりと引きしまった白い右腿が露わとなる。
―――そこには、自衛団長と同じ銀の刻印――聖痕と呼ばれる証が鈍い煌めきを宿していた。]