−中央部・教会−
[祭壇の奥、神さまの御姿を画いた絵を、虚ろな緑の眼で見つめます。
礼拝堂のうちはがらんとしておりまして、誰も居ませんでした。魔の施した結界により皆の心の流れは変り、力のないものはそこに近寄らず、そして変ったことに気附かず、不思議にも思わないことでしょう。]
……主の、御心のままに。
[小さなくちびるは聖なる句を紡いで、左の手は絵に触れようと持ち上げられました。けれども、しゃらりと鎖が鳴ったものですから、びくりと震えすぐさま引いてしまいました。何べんか、左右に首を振ります。]