[足早に向かったのは詰所だった。駆け込む勢いに団員が気圧されたように引く] ぎ、ギュ、ギュ、っター、だん…は? あ、アノ、た、伝え、ナきゃ、[慌てて話すが、どうやら通じない。音は滑る。眉を顰める団員もいて。だがどうやら今ここには居ないようだと察すること出来てゲルダは刺繍の布を手に、長い息を吐いた。だが、待てないといった様子で。詰所の出入口の脇に、じっと立って外を見る]