―宿屋―お前もお疲れさん、ナーセル。部屋借りてくるから少し待っててな。[宿屋の前に繋いだ旅の仲間からは元気な嘶きが返ってきた。首を撫でて労ってから扉を潜る]おーい。今年もお邪魔するよ。厩舎と、親父はいないから小さい方の部屋ひとつ貸してくれ。[食堂兼酒場にいつもの姿が見つからず、奥へと声を張り上げた。まさかそっちに苦労の元凶までいるとは知る由もなく]