[自衛団の行うことは「監視」。他の人間に被害が及ばぬよう、「容疑者」を隔離するのだと。再度、そう告げて、役目は果たしたとばかり、自衛団長は去っていこうとする。熱狂的な信者に、「人狼」の可能性を持つ者――否、他の誰の声も、届きはしないのだろう。それこそ、神の言葉でもない限り。残された自衛団員は申し訳なさそうにしながらも、ひっそりと、自宅と連絡を取る手助けをすることは、約束してくれたけれど。逆を言えば、それが精一杯だということでもあった]