─ 前夜/広間→個室I ─
[降りしきる雪を見て物思いに耽ってたのは短い時間。
階下に下りよう、と思ったそもの目的──水を求めて、台所へ行こうとして]
……? 何か。
[視線を感じて振り返った先には、団長がいた。
その表情は物言いたげではあるものの、しかし、その口から言葉が発せられる事はなく]
……何もないなら、行きますよ。
[静かに言い置き、台所へ。
片付けやら何やらの邪魔にならぬようにしながら、水差しを一つ、出して。
冷たい水を満たしたそれを手に二階へと上がり]
なんだ?
[扉の前に置かれた小箱に、一つ、瞬いた]