― 昨日/黒珊瑚亭 ―……先生[自宅に戻るというゼルギウス>>25に、思わずのようにかけた声は、呼び止めるというより、案じるような響きを帯びたもの。紅玉に浮かぶ苦い色と謝罪に、それ以上は言葉を紡げず]…どうか、お気をつけて。[部屋を後にする背に、聴こえないだろう程の声で祈るように囁いた]