─ 三階/展望台(前日) ─[階段を上がって辿り着いた硝子張りの部屋。聞いた通り、紅色は空に坐していた。何だか吸い込まれそうで、暫く無言でそれを見つめて]あ。[視線を少し降ろせば、避けるように降り続けている雨までもが、紅い光を浴びていた。ボクの知る限り透明な筈の液体が、赤色に変わって、下の方では赤い水たまりに]血みたい。[殆ど無意識にボクは呟いて]