[『どうしたんだい、ユリアン。表情が硬いよ』]…え?[聞こえたのは心地よいバリトン。驚き無防備に振り返ればそこには、クレメンスの微笑みがあって]――…ごめんなさい神父さま。俺は約束、守れないかもしれない…[意識を失うまでユリアンの瞳に映っていたのは、神父がいつも子ども達へ、そしてシスターへ向けてくれていた微笑み。シスターの命ばかりでなくそれをも奪うことになるのだと気付くユリアンの呟き声は、音として口にできたのか、心の中で呟いたに過ぎなかったのか、もう*自分ではわからなかった*]